2010 Fiscal Year Annual Research Report
タスク活動とディクトグロスによる英語運用能力伸長の実証研究
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21520627
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
今井 典子 高知工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (30510292)
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Keywords | タスク活動 / ディクトグロス / 第二言語習得 |
Research Abstract |
本研究は、日本の中・高等学校の学校現場で求められている「実践的コミュニケーション能力」育成のための効果的な言語活動と考えられている「タスク活動」(高島2005)に、定着を促進するために、dictogloss (Wajnryb 1990)を連動させることの有効性を、実証的研究を基に明らかにしようとするものである。平成22年度は、平成21年度に高専1年生を対象に実施した検証授業A(目標文法事項:「現在完了形」)と検証授業B(目標文法事項:「後置修飾」)の筆記テスト(Group A/B/Cに加え何もしていないGroup Dを加えている)の統計処理の結果、タスク活動にdictoglossを合わせて行うことの有効性を明らかにした。また、文法テストの結果と関連し、スピーキングテストより「正確さ」と「流暢さ」のデータ分析・考察を進めている。また、dictoglossの活動そのものの有効性を検証授業C(目標文法事項:「受け身」)として実施し(9月~3月)、分析・考察を行っている。Group A/B/Cとは、Group A (dictogloss+タスク活動)・Group B(タスク活動+dictogloss)・Group C(タスク活動+練習問題)である。具体的には、目標とする文法事項がどの程度身についているのかを測るために、4つの選択肢から選択する筆記テスト(multiple-choice communicative grammar test)を事前に実施した(pre-test)。次に、学習した文法知識が、実際の場面でどの程度運用できているのかをスピーキングテストで測定し、その後、活動を実施し、post-test(immediate effect:即時的効果)とdelayed post-test (residual effect:持続的効果)をそれぞれ筆記テストとスピーキングテストで測定している。尚、筆記テスト問題の選定に関しては、使用するテスト項目が、英語能力の高い生徒とそうでない生徒を弁別(識別)することができるかどうかを測る項目弁別力指数(Item discrimination power index : DISC)を各問題別に分析を行っている。
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