2011 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語読解における推論活性化ユニットの特定と心的表象構築プロセスの解明
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21520632
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
卯城 祐司 筑波大学, 人文社会系, 教授 (60271722)
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Keywords | リーディング / 心的表象 / 推論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本人EFL(外国語としての英語)学習者を対象に、文の構成要素(単語、命題)からどのように文章全体の理解を反映する心的表象(mental representation)が構築されるのかを明らかにすることである。本年度は、文の構成要素としてより小さな単位である単語の意味推論に関する研究(研究1)と初年度に行ったマクロ命題の構築に関する追従研究(研究2)を行った。 研究1においては、EFL学習者がテキスト中に含まれる未知語をどのように処理しているかについて検証を行った。EFL学習者にとってテキスト中に未知語が含まれていることは一般的な状況であり、テキストに関する心的表象を構築するためには未知語処理を明らかにする必要があると考えられるためである。その結果、次の2点が明らかとなった:(1)未知語を含む文の収束性が高い場合でも、学習者の意味推測の成功度は一文単位よりも談話単位の方が高い、(2)深い語彙知識を持つ学習者は、談話単位において単語の意味を適切に推測することができる。これらのことから、EFL学習者が心的表象を構築するために行う未知語処理プロセスには、学習者要因とテキスト要因が複雑に絡み合っていることが明らかとなった。 研究2として、初年度の研究の追従を行った。これは、二年目に実施した推論に関する研究を読解中のオンラインと読解後のオフラインから検証を行っているのに対して、初年度のマクロ命題構築に関する研究においては読解後のオフラインからしか検証を行えていなかったためである。実験の結果、以下の2点が明らかとなった:(1)EFL学習者は母語話者と同様に読解中にオンラインでマクロ命題の構築を行っている、(2)EFL学習者にとって複数の情報を統合が必要な複雑な命題を構築することは難しい。これらの結果から、EFL学習者が読解中にマクロ命題構築する過程において、テキスト中の複数の情報を統合することは高度なプロセスであることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り進み、学会発表や査読論文掲載においても評価を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、学会発表や査読論文投稿など客観的な評価を確認しながら、進めていきたい。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] How Japanese EFL readers revise their situation models : Focusing on reading skills and the causal structure of texts2012
Author(s)
Ushiro, Y., Hasegawa, Y., Nahatame, S., Shimizu, H., Takaki, S., Hamada, A., Nakagawa, C.
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Journal Title
ARELE (Annual Review of English Language Education in Japan)
Volume: 23
Pages: 105-120
Peer Reviewed
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[Journal Article] Activation and Encoding of Bridging and Predictive Inferences in EFL Reading Comprehension2012
Author(s)
Ushiro, Y., Nahatame, S., Hasegawa, Y., Shimizu, H., Kimura, Y., Tanaka, Y., Nakagawa, C.
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Journal Title
JACET JOURNAL
Volume: 54
Pages: 33-52
Peer Reviewed
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