2011 Fiscal Year Annual Research Report
英語の母語習得と第二言語習得におけるリズムパターン生成モデル
Project/Area Number |
21520639
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
須藤 路子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60226587)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 和彦 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (90029679)
|
Keywords | 生成パターン / TOEICスコア / 米国滞在開始年齢 / 米国滞在期間 / 第二言語習得 / 日本人学習者 / リズムパターン / 臨界期仮説 |
Research Abstract |
今年度の研究では、生成パターンとTOEICスコアの観点から米国滞在開始年齢と滞在期間という2つの要因に着目した。具体的には、TOEICスコアとリズムパターン生成に着目し、TOEICにより測定される英語能力と生成パターンにおける持続時間制御に観測される習得度との関係を検討した。 TOEICテストのスコアにより測定された日本人被験者の英語能力について、米国滞在経験が英語聴解力と英語読解力の習得において重要な要因となっていることが示された。本研究被験者の米国滞在期間から、最低1年間の滞在経験が目標言語の習得に寄与することが示唆された。 臨界期仮説(CPH)によって示唆される滞在開始年齢により分類した、米国滞在経験のある日本人被験者2グループ(RTN1とRTN2)に関して、TOEICリスニングセクションのスコアにおいて有意差が観測されたが、リーディングセクションのスコアにおいては有意差が観測されなかった。滞在開始年齢という要因は読解力の習得においては他の要因により補完されるが、聴解力の習得においては滞在開始年齢が習得を決定づける重要な要因になると考えられる。一方、滞在期間は他の要因に補完され、習得を決定づける要因ではないことが、滞在期間により分類された2グループ(RTN3とRTN4)のTOEICスコアから示された。滞在開始年齢は滞在期間よりも学習者の習熟度に与える影響が著しいことが示された。滞在開始年齢と滞在期間という2つの要因により分類された4グループ(RTN1、RTN2、RTN3、RTN4)に関して、RTN1の生成パターンはRTN2に比べ米語母語話者のパターンに近く、米国滞在期間が4年以上であるRTN3の生成パターンはRTN4と比べて米語母語話者のパターンに近い傾向を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は、予定通りに進行し、実験結果の処理も予定通りである。発話速度の正規化の結果も順調である。 併せて、研究成果発表も活発に行われた。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画には変更は予定されていない。被験者を増やし、各種の変数のコントロールを目指したいと考える。
|
Research Products
(4 results)