2009 Fiscal Year Annual Research Report
韓国の小学生向けの英語放送番組の分析および日本の小学校英語活動への示唆
Project/Area Number |
21520641
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Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
カレイラ松崎 順子 Tokyo Future University, こども心理学部, 講師 (40454186)
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Keywords | 小学校外国語活動 / 韓国 / メディア教育 / 放送番組 |
Research Abstract |
韓国の小学校では,1997年に小学3年生から英語を正規教科として取り入れており,小・中・高一貫の教育課程の確立,国定教科書や教材の開発,充実した教員養成,研修制度など,周到な準備のもとに英語教育が導入された。一方で,韓国においても都市と地方において英語の学力格差が見られ,このような格差を解決するための手段として注目されたのが放送やインターネットなどのメディアを使った学習教材であり,政府が最もその発展に力を注いでいるのが,Korean Educational Broadcasting System English (EBS-e)である。平成21年度はそのEBS-eの小学生対象の番組のうちSchool English Learning (SEL)の分析を行った。分析の結果,日本への示唆として以下のようなことがあげられる。SELは各レベルが一貫したカリキュラムにそって番組が制作されていないため,使用する教師のほうでかなり不満を持っており,SELに示された学年や学期通りに使用できないのが現状である。ゆえに,日本において制作する際にはそのような点を改良し,学年を通した一貫したカリキュラムにそって番組を制作する必要があるであろう。しかし,SELの番組の中には,文法指導(SEL3のGra Gra GrammerおよびSEL4のNew Spy Zone)や内容重視の教授法(SEL4のSpy Zone)などを取り入れた番組として日本が参考にできる良質な番組がいくつかある。 日本の小学生対象の英語の放送番組と比較した場合,1つ1つの番組を比べれば,日本の番組も韓国の番組とは見劣りしないぐらい良質な番組も多い。しかし,日本は放映している番組数が圧倒的に少ない。アジアの中で教育面における後進国とならないためにも,日本はこの現状をよく理解し,小学校の外国語活動における放送番組の活用というものを今後真剣に検討していかなければならないであろう。
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