2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520647
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
名部井 敏代 Kansai University, 外国語学部, 准教授 (20368187)
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Keywords | 英語学習 / 英語指導法 |
Research Abstract |
本研究の初年度である2009年度は、学習者の内面での「学び」の調査の予備調査と位置付け、(1)学習者によるアウトプットを重視する大学英語授業を通じた学習者の「学び」についてのデータ収集と、(2)データ収集に用いる半構造質問紙の作成と試用、そして分析を行った。(1)については、学習者に対するインプットが主体の大学英語授業における学習者の「学び」に関するデータとの相違点をあぶりだすことに焦点をあてた。また、(2)においては、アップテークチャートと呼ばれる半構造質問紙についての研究で、北米の研究者が従来のデザインに比べ、収集しようとする情報をこれまで以上にコントロールする形式の質問紙をデザインした研究があることから、後者のデザインによるアップテークチャートで授業終了後のデータ収集を行い、学習者が自主報告する内容や質に関するチャート形式の影響について調べてみた。 データ分析は、(1)のデータ収集を行った授業の録音・録画における技術的な問題のため、難航している。学習者にアウトプットを義務付ける授業形態では、おのずと教師が一学習者と個別にインターラクションする場面が多くあったが、準備した録音・録画設備では、この個人的指導部分のデータ収集が十分に行えなかった。授業全体としての教師の指導法は記録できているので、これと学習者個人個人がアップテークチャートに報告している「学び」の記録を関連付ける作業を行っている。(2)については、質的な分析を行っている。多くの学習者かデータを収集する場合は、記入事項により多くのコントロールが加わったアップテークチャートの方が、パターンを分類しやすい傾向があることが示唆されている。
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