2009 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア古代社会における音楽文化の比較社会文化史的研究
Project/Area Number |
21520655
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
荻 美津夫 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (80115013)
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Keywords | 壁画 / 陶俑 / 画像磚 / 伎楽天 / 箜篌 / 北魏 / 大楽署 / 雅楽寮 |
Research Abstract |
今年度は、ます実地調査として、9月16日~24日の期間に中国甘粛省・陜西省の壁画・レリーフ等にみられる音楽資料の調査研究と、2月17日~21日に韓国公州・扶余における同資料探索調査を中心に研究調査を行った。前者では、甘粛省の炳霊寺石窟、麦積山石窟等において北朝の北魏~北周時代の仏像光背等に描かれた飛天奏楽資料、また蘭州の甘粛省博物館、西安の陜西省歴史博物館において陶俑にあらわされた奏楽・奏舞人物桶等の調査により漢代~唐代までの楽器とその奏楽方法・姿態や衣装を確認するなどの成果が得られた。韓国の公州・扶余の調査は、古代中国魏晋南北朝の音楽文化と、それと同時代である、韓半島高句麗・新羅・百済の音楽文化(楽器・奏楽方法・姿態・衣装等)との比較検討を試みるために行うもめである。今回は百済後期の都扶余における音楽文化の調査を行った。出土楽器は僅かであったが、百済陵山寺里址出土の金銅大香炉の上部に作られている奏楽者の装飾は中国の影響が考えられる極めて興味深い資料であった。また、後世の遺物ではあるが、ソウル郊外の龍仁にある世中石博物館では楽器や奏楽状況が刻まれた石像を発見し、音楽文化史的に極めて大きな成果があった。 また文献においては、音楽関連史料の蒐集を進めており、平成21年度は『洛陽伽藍記』と『魏書』(中華書局)1~3巻までを終えた。さらに、中国で蒐集した諸文献により、河姆渡文化より股代までの出土楽器を整理することができた。ほぼ予定通りの調査研究により、大きな成果を得ることができたといえる。
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Research Products
(3 results)