2010 Fiscal Year Annual Research Report
日清戦争時、日本軍の朝鮮甲午農民軍討滅作戦に関する研究
Project/Area Number |
21520659
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 勝生 北海道大学, 名誉教授 (90044726)
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Keywords | 日韓関係史 / 日清戦争 / 日本近代史 |
Research Abstract |
1、東京、東京都立中央図書館、防衛庁防衛研究所図書館、国会図書館において、日清戦争時の日本軍関係史料を探索し、朝鮮守備隊、討伐大隊の陣中日誌などの追加調査をおこない、第五師団朝鮮兵站部の陣中日誌、朝鮮駐屯後備部隊の討伐作戦電文などを追加収集した。 2、研究代表者が新たに見いだした東学農民軍討伐大隊の大隊長史料が、2010年4月から山口県文書館で公開された。写真版で収集した史料の分析を含めて、『歴史地理教育』や『「韓国併合」100年を問う』に、論文「朝鮮東学農民軍を殲滅した日本軍」と「後備歩兵第一九大隊・大隊長南小四郎文書」を発表し、大隊長史料から発見された日本軍の殲滅命令、また東学農民の抗日ゲリラ戦の展開過程、これまで知られていなかった山岳地帯ゲリラ戦と討幕作戦の戦闘状況、さらにいわゆる「北接」と呼ばれている、これまでほとんど無視されてきた忠清道農民軍のゲリラ戦の重要性などを解明し、再評価を行った。 3、徳島県にて、討伐日本軍の兵士関係資料を発見した。数万の農民軍殲滅を行った後備第19大隊は、忠清道でただ一人の戦死者をだした。一人の戦死者をめぐる諸事実、戦死者が靖国神社の記録に記されていないこと、大隊がゲリラ部隊の強力な抗戦に遭遇していることなどを論文「後備歩兵第一九大隊・大隊長南小四郎文書」において論述した。2011年3月には、徳島旧阿波郡で兵士の墓を探索し、同兵士の忠魂碑を共同墓地で発見することができた。碑文から、事実関係を確定することができ、兵士史料の残存していることを知ることができた。 4、韓国の国際シンポジウムに招聘され、「東学農民を鎮圧した日本軍の歴史史料」で、日本側史料を研究発表し、韓国の研究者たちと討論をおこない。旧日本軍兵站線に沿って韓国の研究者と現地調査を行うことができた。
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Research Products
(5 results)