2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520668
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 讓治 京都大学, 文学研究科, 教授 (40093306)
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Keywords | 豊臣秀吉 / 秀吉文書集成 / 豊臣政権 / 政治過程 / 政権構想 / 天下人 / 天皇 |
Research Abstract |
本年度は、豊臣期の政治過程と政権構想の変遷を政権中枢の側に視座を据え、政治的主要人物の居所に基づく無紀年史料の年代推定を主要な分析方法として明らかにすることを目的とした研究の最終年度にあたり、これまでの成果を整理・総括することを課題とした。 まず、豊臣秀吉文書の補充調査をとしては、天正9年11月5日付の鳥取城攻めに関する一友斎宛の羽柴柴秀吉書状(京都大学総合博物館所蔵文書)、天正12年6月16日付の小牧長久手の戦いに関連する西芳寺宛の羽柴秀吉朱印状(西芳寺文書)、文禄2年7月26日付の朝鮮出兵使用の大船についての池田輝政宛豊臣秀吉朱印状など50点あまりを新たに収集し、また100点あまりの秀吉文書の年代の推定・確定を行った。それらの作業を前提に、秀吉文書7000点近くの秀吉文書の目録・データベースを作成し主要な研究者に頒布した。 さらに、こうしたなかで生まれた織豊期の主要人物の居所と行動の成果の一端を、『天皇と天下人』(講談社)、『天下人の時代』(吉川弘文館)を刊行することで公にした。前者は、天皇を主語とすることで、従来積極的には叙述しえなかった、同時代の天皇・朝廷の姿を描いたものであり、そこから豊臣政権の織田政権とは異なる特質を捉えた。後者は、天下人、信長、秀吉、家康を軸にこの時期の政治史を描いたものであり、それぞれの政権の成立過程を捉えるとともにその特質についても論じたものである。
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Research Products
(2 results)