2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520677
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
荻 慎一郎 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 教授 (60143070)
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Keywords | 日本近世史 / 鉱山史 / 秋田藩 |
Research Abstract |
1、本研究は、阿仁銅山・大葛金山・八森銀山・太良鉛山など、近世日本の有力鉱山として稼行した秋田領北部地域における個別鉱山研究と諸鉱山の関係・交流史を究明するものである。 2、21年度に引き続き、22年度も秋田市立中央図書館所蔵の那波家文書を調査し、マイクロフィルムによる収集史料をデジタル化しA4版に焼付けるなどの整理を進めた。同文書には秋田藩の直山に関する経営史料が所蔵されており、今後の分析によって近世後期の諸鉱山の経営動向が判明するものとして期待できるからである。またこれまで研究の進んでいない八森銀山に関しても、同史料から研究を進めた。 3、日本鉱業史研究会の現地見学会が22年度は山形県北部(延沢銀山など)から秋田県南部(院内銀山など)で実施され、秋田県湯沢市で現地研究発表会も開催された。同会では院内銀山研究の意義について報告したが、同じ秋田藩領に位置する同山の研究は、秋田藩領北部鉱山研究と同じ意義をもつ。また、近世初期の開発期の院内銀山での製錬用鉛は、秋田藩領北部の藤琴の産鉛が専売品として、藩から供給されている。幕末の院内銀山の金名子は阿仁銅山と密接な関係を持つものが多い。秋田藩領南部と北部の鉱山相互にも交流の歴史をもつ。
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Research Products
(2 results)