2009 Fiscal Year Annual Research Report
中世荘園の領域支配と負担構造に関する研究―「荘園公領制」概念の再検討―
Project/Area Number |
21520688
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
鎌倉 佐保 Meiji University, 文学部, 講師 (60468824)
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Keywords | 日本史 / 中世史 / 荘園 / 荘園公領制 / 史料学 / 検注帳 |
Research Abstract |
平成21年度は、荘園・公領の領域支配と負担構造を明らかにするための基礎として以下の作業と調査を行なった。 1、荘園・公領の帳簿の網羅的収集とデータベース作成。『平安遺文』『鎌倉遺文』に収載されている文書、その他『平安遺文』未収文書について、荘園・公領関係帳簿、関係史料の網羅的収集を行ない、分類・整理しデータベースを作成した。この結果、平安時代から鎌倉時代にかけての検田・検注の実態、検田帳・検注帳について帳簿の変遷がほぼ明らかとなった。この成果に加えて、22年度には『平安遺文』『鎌倉遺文』未収の文書の調査をさらに追加し、かつ検田帳・検注帳以外の帳簿についても分析を加え、その成果を22年度中に発表する予定である。 2、荘園・公領に賦課される諸負担に関する史料の収集とデータベース作成。荘園・公領の領域支配と関連する負担構造を明らかにするための基礎作業として、平安時代の記録類、『平安遺文』、『鎌倉遺文』、その他の史料集より、平安時代から鎌倉時代の一国平均役と呼ばれる課役の賦課・免除に関する史料を収集した。この作業は22年度も継続して行なう。 3、検注帳等の帳簿が存在する荘園の現況把握調査、資料収集。21年度は美濃国大井・茜部荘とその周辺、摂津国垂水西牧周辺で現況調査、資料収集を行なった。
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