2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520689
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
三橋 正 Meisei University, 日本文化学部, 准教授 (10222324)
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Keywords | 古記録 / 平安時代 / データベース / 小右記 / 藤原実資 / 左経記 / 源経頼 |
Research Abstract |
本研究は、平安時代の代表的な漢文日記である『小右記』の正確な解読と、他の同時代資料との関連付け、及び平安時代研究の基礎となるデータベースの作成を目指す。『小右記』については、記主藤原実資の身分変化などから四つの時期に区分し、各時期の最も特徴ある年の記事の校本・書下し文・註釈を作成する作業を並行して進めている。特に、第二期の長和年間の記事は、『御堂関白記』との比較しながら考証しているが、従来の註釈を訂正すべき部分も散見されたことから、陽明文庫への調査を実施し、藤原道長の自筆本と写本の比較照合をした。第三期については、道長が法成寺の供養を行なった治安二年(1022)に注目し、その記事を『左経記』と比較しながら読解し、宮内庁・神宮文庫などの調査をもとに、その成果の一部を公開した。データベースの作成のために、ホームページを解説し、研究協力者との情報交換の場として、更には仮想研究室として使用できるようにし、上記の註釈作成作業と連携させている。仮想研究室へのアクセスは限定されたメンバーに限られているが、そこには註釈作業の進捗状況だけでなく、2008年に刊行した『小右記註釈長元四年』の付録として作成した人名・官職・場所・年中行事に関する考証が閲覧できるようにしてある。これを使用しながら註釈作業を進めていくことで、内容を精緻かつ充実したものにし、外部研究者との連携、将来の公開を目指している。
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