2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520690
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川尻 秋生 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70250173)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 平安時代 / 和歌 / 私家集 / 交通 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
今年度は、最終年度であるので、これまで作成してきた平安時代和歌から地名・人名などを抜き出す作業の補遺を行い、表を完成させた。 次に、一昨年に開催された古代交通研究会大会「山国の古代交通」(明治大学)でコメントした内容を、「山国の交通」(八木書店、2013年6月刊行予定)に求められて論文として投稿した。現在、初校校正中である。内容は、私家集「橘為仲集」を用いて、院政期初期に越後守として赴任した同人が、越中国府から越後国府(新潟県上越市)まで船で下り、任果てて上京の折には越後から信濃を経る山道を使用したことを、和歌から明らかにしたものである。越後国府の初見となる和歌を検出し、海上交通と山国の交通が季節によって使い分けられていたことをはじめて実証したことになる。かつて、為仲の和歌によって、都から陸奥国までの詳しいルートを明らかにしたが、本稿はそれを補完する内容である。 次に、10月12日(金)~16日(火)の期間、中国北京市の北京大学・清華大学において、日本と中国の研究者による国際学術研討会「日本古代史研究の現在と未来」が開催されたが、私は招かれて「古代東国の内乱と武士の発生」という題で、10月14日に清華大学で報告した。その中で、東国の位置づけについて、「万葉集」東歌や防人歌、また平安時代の勅撰集や私家集に収められた和歌を用いて、東国の範囲や特徴、また都人の東国に対するイメージなどについて明らかにした。中国の研究者からもいろいろな意見を頂戴し、有益な学術会議となった。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|