2011 Fiscal Year Annual Research Report
1950年代の憲法論議ー地方ジャーナリズムを中心に
Project/Area Number |
21520696
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
赤澤 史朗 立命館大学, 法学部, 教授 (80202513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小関 素明 立命館大学, 文学部, 教授 (40211825)
中島 茂樹 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 教授 (10107360)
福井 純子 立命館大学, 文学部, 講師 (60460713)
梶居 佳広 立命館大学, 経済学部, 講師 (60537306)
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Keywords | 1950年代 / 地方紙 / 社説・論説 / 憲法 / 護憲論 / 改憲論 |
Research Abstract |
現在の憲法改正論議の枠組みが一応形成されたのは1950年代のことである。本研究ではその50年代の憲法論議を、総発行部数の約半数を占める地方のジャーナリズムの論説を主対象として資料収集し、しかも国内だけでなく海外や沖縄からの視点を加えて広く検討するもので、憲法論議に新たな考える材料を提供するものである。 本年度は科研の最終年度に当たるので、これまでの補充調査として、横浜新聞ライブラリー、国立国会図書館、県立図書館などに赴いて、過去二年間の調査から残された全国紙2紙地方紙十数紙の当該期間の憲法関係論説の資料の補充調査収集に努め、その資料整理を行った。その結果、講和・独立から鳩山内閣の終わりに至る期間の、憲法改正問題を主題とした膨大な地方紙論説が収集された。その作業を踏まえて年度末に作成された資料集では、そのうち特徴のある論説500点を精選して掲載することが出来た。 こうした中から、地方紙上では改憲論が護憲論を凌駕していた時期が、50年代のたいへん短い時期だったことが明らかになり、共同通信の配信論説の比重が高まっていることが分かった。また、イギリスの保守的な高級紙である『タイムズ』は改憲論支持だったが、駐日大使のデニングは、改憲論の持つ反動性に一抹の危惧を抱いていた様子であり、日本の憲法問題に関するイギリスの態度も一本化していないことが明らかになった。 また、本研究会では憲法の主権論その他の分野で研究発表を行い、その成果は『立命館大学人文科学研究所紀要』97号の特集「1940~50年代の日本の憲法と政治」などに反映させることが出来た。そしてこれまでの研究成果と上記の地方紙論説の資料集をまとめて、報告書『1950年代の憲法論議-地方紙を中心として』を刊行することが出来た。
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Research Products
(4 results)