2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520704
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
長谷川 博史 島根大学, 教育学部, 准教授 (20263642)
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Keywords | 戦国期権力 / 港町 |
Research Abstract |
平成22年度においては、研究実施計画の前半部分にあたる各港町の内部構造の検討と、研究実施計画の後半部分にあたる周辺地域・海域における港町の位置づけに関する検討を、並行して進めた。 まず、研究実施計画の前半部分については、中世山陰水運を特徴づける宍道湖・中海沿岸地域について、白潟・安来・杵築の景観復元作業をさらに進めるとともに、馬潟および中世府中周辺の歴史的位置づけに関する検討を行った。また、古益田湾の中須遺跡などの発掘成果に関する情報収集を行い、現地の実情および研究状況にもとづく検討を行った。瀬戸内海域では、明石浦周辺の港の配置およびその役割の変化について検討を行った。 さらに、研究実施計画の後半部分については、備後国鞆と日本海側の港湾との関係について、近世史料による検討を行った。また、足利義昭が鞆を基盤に政権奪回をはかった経緯や理由、および家臣団・経済基盤の実像について再検討した。さらに、島根半島から石見銀山にかけての地域を主対象として、16世紀後半の毛利氏による地域支配において、実質的な部分を担った毛利元就直臣層の動向を明らかにすることを通じて、諸港湾とその周辺地域をどのようにして把握しようとしていたのか、検討を行った。
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