2009 Fiscal Year Annual Research Report
1949年革命前夜の中国における社会秩序の様相とその変容
Project/Area Number |
21520709
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
笹川 裕史 Saitama University, 教養学部, 教授 (10196149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 肇 下関市立大学, 経済学部, 教授 (70194917)
水羽 信男 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (50229712)
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Keywords | 東洋史 / 中国革命 / 国共内戦 / 社会秩序 / 社会変容 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中国の戦後内戦期に焦点を絞り、当該期の政治や経済の変遷ではなく、それらを根底において規定する社会秩序の様相やその変容を具体的に描き出すことにある。これによって、1949年革命以降の政治的激動につながる社会の側の前提条件を明らかにする。 本年度は4年計画の第1年目であるが、主に以下のような研究を実施した。第1点は、研究代表者および分担者(ただし、分担者の一人である金子は他の外部資金を使用)は、上海市档案館を1週間訪問し、それぞれの役割分担に即して史料の調査・収集を行なったことである(8月16日~23日)。これによって、本研究に関連する史料を多数収集することができ、今後の研究の進展につながる実りある作業となった。また、その際、現地で研究打合会を開き、研究情報の交換や連携方針の確認などを行なった。第2点は、他の外部資金を活用して、研究代表者が四川省档案館を2週間程度訪問し、当時の四川省政府社会処の文書を調査・収集したことである(9月13日~24日)。同社会処は社会行政を担った部門であり、その未刊の文書は戦後内戦期の社会実態をうかがううえで貴重な史料群にほかならない。本研究においても十分に活用できることを確認した。第3点は、研究代表者が日本現代中国学会において、戦後内戦期の地方レベルの各級民意機関の動向およびそれを取り巻く社会環境の特質を具体的に分析した口頭報告を行なったことである(以下の研究発表欄、参照)。この口頭報告は、来年度に論文として公刊されることが査読をへて決定した。その内容は、本研究全体にとって基軸の一つとなりうる。
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Research Products
(4 results)