2010 Fiscal Year Annual Research Report
1949年革命前夜の中国における社会秩序の様相とその変容
Project/Area Number |
21520709
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
笹川 裕史 埼玉大学, 教養学部, 教授 (10196149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 肇 下関市立大学, 経済学部, 教授 (70194917)
水羽 信男 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (50229712)
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Keywords | 東洋史 / 中国革命 / 国共内戦 / 社会秩序 / 社会変容 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中国の戦後内戦期(1945-1949年)を対象にして、当該期の政治や経済の変遷ではなく、それらを根底において規定する社会秩序の様相やその変容を具体的に描き出すことである。これによって、1949年革命以降の政治的激動につながるような社会的土壌の形成を明らかにする。 本年度は、主に以下のような研究を実施した。(1)研究代表者および分担者2名は、関連する別の外部資金によって、上海市档案館を1週間訪問し、それぞれの役割分担に即して史料の調査を行った。これによって、本研究の結実にも直接つながる関連史料を多数収集することができた。また、その際、現地で研究打ち合わせ会を開き、論点の相互点検や連携方針の確認・調整などを行った。(2)研究代表者は、本研究の補助金で昨年度に収集した1次史料(未刊行史料)を活用して、本研究の重要な論点の一つとなる四川省の民意機関の動向分析を行い、その成果の一部を学術論文として公表した(「研究発表」欄、参照)。(3)本研究の当初の計画においては、研究成果の発信のために、専門研究者の狭い範囲を超えて、より幅広い一般の知的読者層を対象とした学術啓蒙書の刊行を課題として盛り込んでいる。本年度は、そのための準備(原稿の執筆、出版社との契約など)を推し進め、それがほぼ完了した。次年度には、本研究にとって重要な中間的成果の一つとして、学術的にもオリジナリティーの高い啓蒙書の出版が可能となるであろう。
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Research Products
(4 results)