2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21520716
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 進 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (40168448)
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Keywords | 明版 / 出版史 / 目録学 / 書誌学 |
Research Abstract |
本研究の根幹をなす明版書の書誌調査については、明代前半期刊本を中心に約100点の原本閲覧と書誌資料収集をはたし、当初の予定どおり順調に進んだ。このうち台湾における調査は、故宮博物院および国家図書館当局との良好な関係の下、実質4日の調査二回で44点の閲覧をはたすことができ、特に満足すべき成果を挙げた。また国内の調査についても、静嘉堂文庫や尊経閣文庫などに赴き、未見の明代前半期刊本を中心に50余点の書誌を収集し、これにより蓄積された書誌の累計は2800点足らずに達した。すなわち本研究開始時の目標である累計2800点以上が、2012年度中に達成されることはもはや確実となったわけである。 こうした書誌収集の進展により、少なくとも明代前半期の出版史については、相当の史料的根拠をもってこれを叙述する条件が整いつつあり、そこから生じた研究成果は、研究発表の項に記した著書『明清学術変遷史』のうちに、特にその第一部のうちに極力盛り込むよう努力した。さらに本年度には、台北の故宮博物院図書文献処からの要請により、同院において明代前半期の出版に関する講演を行なったが、これももとより本研究の成果を利用したものであり、かつ台湾の研究者との学術交流、相互理解を推進したという意味で、それ自体がひとつの研究成果であった。 なお収集された書誌の知見目録化であるが、すでに一昨年度、昨年度の実績報告でも述べたように、その作業量は当初の想定よりはるかに膨大で、本研究開始以前から蓄積されている書誌の目録化は、きわめて緩慢にしか進んでいない。ただし本年度に新たに収集された書誌については、その目録稿化とパソコン入力を大体においてすませている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
明版書誌の調査、資料収集についてはきわめて順調で、当初の計画を上回る成果を挙げているし、またそこから得られた知見を用いた研究発表についても、おおむね良好な結果が得られている。ただし知見目録化については問題が大きく、その根本的解決を本研究期間内にはかることは遺憾ながら望めない。よって研究全体の達成度としては(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の中核である書誌調査については、今後もこれまでと変わることなく推進し、研究発表についても論文、また機会があれば講演などを通じて、積極的に行ないたい。ただし蓄積された書誌全体の知見目録化については、本研究に残されたあと一年の時間ではとても消化できず、これは2013年度以降、新たな研究を立ち上げる中で解決をはかる予定である。
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Research Products
(3 results)