2009 Fiscal Year Annual Research Report
アルタイ諸地域での遺跡遺物の再利用を通してみた突厥遊牧民の祖先崇拝の文化史研究
Project/Area Number |
21520719
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大澤 孝 Osaka University, 世界言語研究センター, 教授 (20263345)
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Keywords | 東洋史 / 考古学 / フィールドワーク / 共同研究 / 突厥遊牧民 / 遺跡の再利用 / ロシア:モンゴル |
Research Abstract |
本年度はアルタイ山脈に関わる2つの地区に分布する古代テユルク時代の遺跡・碑文を現地の研究者と共同調査して,墳墓などの一部に再利用された形跡がないかを調査すると共に,銘文のあるものについては撮影や採拓作業を実施して今後本格的に歴史史料として活用するための収集作業を行なった。 2009年5月21-25日にはアルタイ山脈の草原の一角を担うロシア連邦アルタイ共和国のゴルノ・アルタイ市のアルタイ国立大学で開催された「第1回古代テユルク・ルーン文字碑文に関する国際シンポジウム」に参加して,ルーン文字における「鏡文字」について私見を発表した.その後には,ゴルノ・アルタイ市郷土博物館や同国のオングダイ郡で発見されたルーン文字銘文の刻まれた岩場を訪れ,実地調査を行った。 また8月から約2週間の間,モンゴル国科学アカデミー考古学研究所を訪れ,向こう3年間,古代テユルク時代のアルタイ諸地域に分布する遺跡・遺物ならびにルーン文字碑文に関わるモンゴル・日本の共同プロジェクトを実施する旨の調印を行った。そのうえで,今年度は主にアルハンガイ県のハラホリン地区からバヤンホシゴル県,ゴビ・アルタイ県,ホブド県,バヤン・オルギー県,ウラン・ゴム県,そしてホブス・ゴル県などに分布する古代遺跡を訪れ,その位置をGPSで落としつつ,計測および写真撮影や字資拓本をとりつつ,資料収集を行った。 また研究成果としてはモンゴル語によるモンゴル国現存古代遺跡と突厥時代の碑文の調査研究報告を出版したこと, また今年の調査報告として2009年11月20-25日にトルコ共和国アフィヨン県のコジャテペ大学で第1回国際古代テユルク語シンポジウムに参加し,モンゴル国バヤンホンゴル県ガロート郡のオローン・ノール・フンダイの遺跡を画像で紹介すると共に,その東面と南面の石槨表面に刻まれたルーン文字銘文について試読結果を発表した。
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Research Products
(5 results)
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[Book] A Hunok OROKSEGE2009
Author(s)
Maracz Laszlo, Obrusanszky Borbala (eds)
Total Pages
478
Publisher
Hun-idea Szellemi Hagyomanyorzo Muhely, Budapest, Hungary