2012 Fiscal Year Annual Research Report
スペイン領フィリピン社会における変動期の諸相―「マニラ公正証書原簿」の研究―
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21520721
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
菅谷 成子 愛媛大学, 法文学部, 教授 (90202126)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 東南アジア史 / フィリピン / マニラ / スペイン植民地 |
Research Abstract |
本年度は、5年計画の第4年度目であった。昨年度に引続いて、これまでに調査により収集した「マニラ公正証書原簿」の整理・分析作業を継続するとともに、先行研究の検討を行った。 これまでの研究蓄積について、その成果発表の一環として、2012年10月28-30日の日程で、アメリカ・ミシガン州立大学(MSU, East Lansing, MI)で開催された第9回国際フィリピン研究学会(ICOPHIL-9)の第7セッション(10月29日)で、"Spanish Colonial Manila in Transition: Trade and Society at the Turn of the Nineteenth Century”と題する報告を行い、フィリピン研究について意見交換を行った。また関連して、2012年5月25日の第57回國際東方學者會議(東京)では、"Economic Life in Spanish Manila in the Transitional Period, ca. 1780-1820"を報告した。 また、フィリピン共和国マニラ首都圏のアテネオ・デ・マニラ大学で2013年2月8-9日に開催された、歴史学研究の方法・史料・意義をめぐる国際会議(Historiography and Nation Since Pasyon and Revolution)に出席し、最新の学界の知見をえ、意見交換を行った。なお、本年度は、校務等の関係から、本科研費での現地文書館調査を行えなかったが、上記の会議後、引続き1週間の日程で、関連史料の調査・収集を行うことができた。 また、本研究の成果の一部を、学内共同研究の成果と併せて「19世紀転換期におけるスペイン領マニアのコスモポリタン性」(「文化伝統の継承とアイデンティティ形成」研究プロジェクト報告書)として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「マニラ公正証書原簿」の整理・分析については、継続的に作業を行って成果を出してきている。ただ、本年度は文書館調査については、校務や他の関連研究課題や執筆等により、本科研費としては実施できず、その期間も限られていた。また「原簿」の整理・分析の時間が校務等の関係で限られていたため、おおむね順調ではあるが、一部には、遅れている部分もあるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、本研究計画の最終年度であるので、成果公開に向けて作業を進める。ただし、これまで調査・収集した史料(原簿)につき、全ての索引作成や要約を作成することは時間的・数量的な点からも困難な部分があるので、公開に値する原簿を精選・抽出する作業を行い、作業の能率化について、さらに留意して作業を進める。
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Research Products
(5 results)