2012 Fiscal Year Annual Research Report
11・12世紀イングランドとノルマンディにおける貴族権力と君主権力
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21520764
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
轟木 敦子(中村敦子) 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 准教授 (00413782)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 西洋中世史 / 貴族 / 証書 / イングランド / ノルマンディ |
Research Abstract |
本研究全体の目標は、中世西欧における中心的な行政文書である証書史料を利用し、11・12世紀のアングロ=ノルマン期イングランドとノルマンディを対象に、貴族権力と君主権力の関係の諸相を分析することである。 本年は、昨年に引き続き、基本文献の収集と研究動向の調査を継続しつつ、アングロ=ノルマン期証書史料の収集・調査を進めた。証書史料の発給・保管・利用の現場を探るには、当該証書史料そのものを検討するだけでは不足で、周辺状況から分析する必要がある。本年は、本研究の対象の中心でもあるチェスター伯家を含むアングロ・ノルマン貴族から多くの寄進を集めた当時の有力修道院であるアビンドン修道院の証書史料をてがかりに、君主との関わりを、証書史料にみられる紛争の記録から分析し、とくに君主による証書の更新の問題を検討した。 その成果は2012年4月に関西中世史研究会で「アングロ=ノルマン君主の証書発給 リットとリット・チャーターを中心に」として公表、さらに2012年7月国際中世学会(イギリス・リーズ大学)で「アングロ・ノルマン君主と証書の更新」として発表した。また、加筆修正して2012年8月西欧中世史研究会において「アングロ=ノルマン君主の証書発給とアビンドン修道院」として、さらに2012年11月に京都大学で開催された西洋史読書会大会において「アビンドン修道院史にみられるアングロ・ノルマン君主の証書発給」として発表を行った。さらにこの研究成果は、論文として公表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
刊行されれば中心的史料となるはずのヘンリ1世、またヘンリ2世の証書集成がいまだ刊行されていないため、君主側の調査は予想ほど進んでいない。また、チェスター伯家に関係する家臣団や他のアングロ・ノルマン貴族層の証書史料の収集に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年も基本研究文献と証書史料の収集を継続する。現在、アングロ・ノルマン期の有力家系チェスター伯家を中心に、アングロ・ノルマン君主との関係、チェスター伯家の有力家臣団、所領保有や姻戚関係などつながりのある領主たちとの関係を検討中である。利用するのは、主に関係する修道院に遺された刊行未刊行史料である。中心は、スティーヴン王時代に活躍し、史料の多く残るチェスター伯レナルフ2世である。また、ノルマンディを中心とした大陸フランスのチェスター伯家の所領に関する証書を収集する。
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Research Products
(3 results)