2009 Fiscal Year Annual Research Report
文字瓦データベース構築と文字瓦の生産からみた地域社会の研究
Project/Area Number |
21520776
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
山路 直充 Meiji University, 研究・知財戦略機構, 客員研究員 (50468823)
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Keywords | 考古学 / 文字瓦 / 生産と負担 / データベース / 資料論 |
Research Abstract |
◎研究の目的 古代の文字瓦の画像つきデータベースを構築し、歴史資料としての文字瓦の特性を明らかにする。その上で、データベースをもとに、瓦に記名された文字と生産工程の双方の視点から、寺や官衙の造営における、瓦の生産と負担のシステム、瓦の発注主体者と寺・建立主体者の関係を解明し、窯業生産をとおして地域社会の実態に迫る。 ◎文字瓦データベースの作成 当初は武蔵国のデータベース構築をおこなう予定であったが、データ検索ソフト(ファイルメーカー)の仕様変更をおこない、常陸国150点、甲斐国5点 伊賀国3点、近江国20点、信濃国8点、加賀国3点、河内国19点、摂津国14点、飛騨国7点の計229点のデータを処理した。このうち、甲斐国・伊賀国・近江国・信濃国のデータを明治大学古代学研究所ホームページ(http://www.kisc.meiji.ac.jp/~meikodai/index.html)に掲載した。 ◎地域における窯業生産体制の調査 文字瓦と刻書須恵器の記銘の関連の調査するため、尾張尾北窯(愛知県)などを調査し、文字瓦や須恵器に記銘される「五十戸」表記が、680年代でなくなる荷札木簡と異なり、710年代まで残ることを明らかにした。その成果は、「『大伴五十戸』と記銘された軒丸瓦」(『駿台史学』137号、平成21年9月刊行)として発表した。
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Research Products
(5 results)