2009 Fiscal Year Annual Research Report
吉岡銅山資料の展示と公開に関わる史料に記録と遺構の調査
Project/Area Number |
21520779
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
小西 伸彦 Kibi International University, 社会学部・ビジネスコミュニケーション学科, 准教授 (00425141)
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Keywords | 産業考古学 / 近代化遺産 / 銅山遺跡 |
Research Abstract |
現状 吉岡銅山に関する史料調査は、1994年に発行された『成羽町史』資料編に頼る以外にすべがなく、岡山県内の図書館にも史資料の所蔵はない。研究者の一次資料閲覧はほぼ不可能である。 21年度の成果 (1)『成羽町史』編纂資料の一部が旧成羽町公民館に保管され、門外不出・閲覧禁止となっていること。町関係者の一部が文書解読の勉強会に使用していることが判明した。 (2)江戸後期まで銅山を稼業した大塚家の資料は、旧成羽町が所在不明としていたが、近年大塚家の末裔により岡山県記録資料館に寄贈されていたことが判明した。 (3)銅山操業地区に居住する銅山労働者の末裔が、銅山経営資料を所有していることが判明した。 (4)銅山古写真は、撮影した写真館の廃業以降その存在が不明であったが、その一部を所有する個人が判明。高梁市から同市への寄贈を依頼することになった。 (5)銅山の遺構調査は、地元住民と吹屋観光協会の協力が得られ、協力者のひとりから銅山施設配置図と坑道図の提出があり、遺構の所在確認への大きな手がかりとなった。 意義 この調査等には約1年半を要したが、今後の銅山史料デジタル化の大前提となる最重要案件が解決できたことになる。まず、旧成羽町公民館が保管する史料のデジタル化とデータベースの公的機関での保存と公開については概ね承諾が得られ、地元の研究者との間で準備に入ることができた。次に、岡山県記録資料館に寄贈された大塚家文書については、館長と協議に入ることができた。 重要性 (1)今後継続する内容は、史料のデジタル化とデータベースの作成である。データベースの様式は、岡山県記録資料館との協議の上決定し図書館を含む公的機関が保管しやすい形式を模索することにした。 (2)旧成羽地区で文書解読を行う団体とは、デジタルデータを使用しての勉強会実施と成果発表に向けての体制作りを協議している。 (3)銅山遺構の調査は地元住民と共同することが確認できた。
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