2011 Fiscal Year Annual Research Report
吉岡銅山資料の展示と公開に関わる史料の記録と遺構の調査
Project/Area Number |
21520779
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
小西 伸彦 吉備国際大学, 社会学部, 准教授 (00425141)
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Keywords | 産業考古学 / 近代化遺産 / 近代化産業遺産 / 銅山遺跡 |
Research Abstract |
本研究で最重要視した「大塚家文書」は、銅山稼業家であった大塚家当主が東京都内で保管されていることが判明。高梁市教育委員会文化課と共に、高梁市重要文化財に位置付けて高梁に里帰り・保管する協議に入ることになった。ここまでの道のりには大きな紆余曲折が大きく、2年以上を要してしまったら、吉岡銅山研究上の最重要史料である文書の活用に目処がたったことは大きな意義がある。吉岡銅山は住友、三菱二つの財閥形成に貢献した。まず財閥誌の資料を再確認した。住友の資料は『住友叢考』等に詳細があり、史料の所在確認はほぼ完了した。三菱関連史料の一部は、銅山の休山後明延鉱山に移管され、その一分が兵庫県養父市教育委員会に引き取られていることがわかり、高梁市教育委員会からも調査協力を求めていただいた。今後、資料発掘に努める所存である。写真資料は倉敷市在住の個人が多数を保管していることが判明。同氏の協力を得てデジタル化を進めている。高梁市成羽町内では専用軌道敷設に際し岡山県に提出した図面を発見。デジタル化を完了した。戦後、一時復興した吉岡鑛業所に勤務した幾人かの所在を突き止め、聞き取り調査を行っている。元勤務者からは坑道図や施設配置図の提供があり、遺構の確認に役立った。こうして蒐集した資料は全てデジタル化し、高梁市文化交流館と市立図書館収蔵品データベースで保管することとし作業中である。データベースにはFileMakerを応用した。作成には岡山市の山本茂パソラ代表に加わっていただいた。山本氏とは、高梁市の収蔵美術品台帳開発を行なってきた経緯がある。それによって、平成24年3月休校となった吹屋小学校に整備される銅山資料室に本研究成果が活かしてゆける道筋がついた。
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