2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520782
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
小澤 毅 National Research Institute Cultural Properties, Nara, 埋蔵文化財センター, 遺跡・調査技術研究室長 (00214130)
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Keywords | 考古学 / 寺院 / 官衙 / 占地 |
Research Abstract |
本研究は、日本の古代律令国家における官衙と寺院がいかなる場所に造営され、占地上、どのような関係を有していたかを広汎な視点から検討し、律令支配体制の一つの表徴たるこれらの施設の立地面での特性を探るとともに、それが果たした政治的な役割を解明することを目的としている。近年の地方官衙や寺院における調査事例の増加は著しく、良好な資料が数多く蓄積されつつあるが、これらの研究成果を踏まえつつ、本研究が目的とする占地面での検討を加え、官衙と寺院それぞれの分析と相互の比較を重ねることで、律令制を支えた施設群の立地的特性とそれが果たした政治的機能をより深く解明することができるものと考える。 初年度にあたる本年度は、まず、平成16~19年度の「古代の宮殿および官衙の占地に関する復元的研究」で検討対象から除外していた藤原京以後の都城について、占地に関するデータを収集し、それぞれの特質を整理した。具体的には、水系上の位置、標高および周囲との比高、丘陵や平地との相互関係、主要道路および前代の宮殿所在地からの方向と距離などを列挙・整理する作業をおこない、律令体制の成立~完成期における恒久的都城がそなえていた、それ以前の時期の宮殿とは異なる立地上の特質や共通点に関して、一定の見通しを得た。 また、畿内および西海道・東海道・東山道諸国の官衙と官寺ならびに氏族寺院を対象として、占地に関するデータの収集を開始した。同様に、水系上の位置、標高および周囲との比高、丘陵や平地との相互関係、主要道路からの方向と距離などを整理し、官衙や寺院の性格の違いによる占地の差が認められるのか、それらが時代によりどう変化するのかを探る材料を入手し、分析を始めつつある。
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