2012 Fiscal Year Annual Research Report
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21520782
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
小澤 毅 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (00214130)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 考古学 / 寺院 / 官衙 / 占地 |
Research Abstract |
本研究は、日本の古代律令国家における官衙と寺院がいかなる場所に造営され、占地上、どのような関係を有していたかを検討し、律令支配体制の一つの表徴たるこれらの施設の立地面での特性を探るとともに、その政治的な役割を解明することを目的としている。近年の地方官衙や寺院の調査事例の増加は著しく、良好な資料が蓄積されつつあるが、こうした研究成果をふまえつつ、本研究が目的とする占地面での検討を加え、官衙と寺院それぞれの分析と相互の比較を重ねることで、律令制を支えた施設群の立地的特性と、それが果たした政治的機能をより深く解明することができるものと考える。 四年目にあたる本年度は、まず、前年度までに収集した藤原京以後の都城のデータ分析を継続しておこなった。その結果、古代の都城造営の実態や、基準となる道路の設定に用いられた測量技術に関する理解を深めることができた。 また、畿内および東海道・西海道諸国の官寺ならびに氏族寺院、さらには一部の山岳寺院を対象として、占地に関するデータの収集を継続した。実地踏査を含めて、水系上の位置や標高および周囲との比高、丘陵や平地との関係、主要道路からの方向と距離などを整理し、寺院の性格の違いによる占地の差が認められるのか、それらが時代によりどう変化するのかを探る材料を得ている。 このほか、東海道・西海道など、諸国の官衙を対象として、国衙・郡衙・駅家など、おのおのの性格の違いに着目にしつつ、占地に関するデータの収集を継続した。同様に、水系上の位置や標高および周囲との比高、丘陵や平地との関係、主要道路や同時代の官衙・寺院からの方向と距離などを整理し、官衙の性格の違いによる占地の差が認められるのか、寺院とは異なる官衙としての立地上の特性が存在するのか、という点についても、一定の見通しを得つつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿ったかたちで、資料の収集と分析を進めている。ただし、七道全体では、資料収集状況に粗密が生じている部分もある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画にもとづいて、ひきつづき研究を推進する。資料収集において、七道および地域による粗密が生じている部分は可能なかぎり補うが、今後の状況によっては網羅的な集成ではなく、特徴をよくあらわすものをピックアップするなどの措置を講じる必要がある。そして、それらの作業をふまえて、研究成果のとりまとめと総括をおこなう。
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Research Products
(2 results)