2009 Fiscal Year Annual Research Report
「里海」の景観構造とその維持管理における伝統的生業活動の役割
Project/Area Number |
21520791
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
佐野 静代 Shiga University, 環境総合研究センター, 准教授 (80273829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勝也 滋賀大学, 環境総合研究センター, 准教授 (20397938)
服部 昭尚 滋賀大学, 教育学部, 教授 (90273391)
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Keywords | 景観 / 二次的自然 / 里海 / 歴史地理学 |
Research Abstract |
初年度はまず「里海」に関する先行研究について分析し、現状の到達点と諸課題を、琵琶湖などの「里湖」の事例と比較しつつ整理した。次にサンゴ礁の「里海」における景観単位析出のための基礎的作業として、奄美大島北部の大字佐仁をフィールドに、以下のような調査・分析を開始した。 1.サンゴ礁浅海の藻類群落調査と景観生態学的分析(服部) 佐仁集落の前面に位置するサンゴ礁浅海において、藻類群落の分布様式についてシュノーケリングによる水中調査を実施し、あわせてGPSによる分布地点の記録を行った。 2.行政所蔵史料の調査と村落住民の生業に関する聞き取り調査(佐野) 大島支庁・町役場が所蔵している戦前期および昭和30年代の統計資料や地形図類を収集し、それらから推定されるかつての生業活動の諸形態について、佐仁集落で聞き取り調査を行った。 3.水文学的手法によるシミュレーションの検討(田中) SWATモデルの適用について作業を開始し、「国土数値情報」をはじめとする土地利用情報や地質・地形に関する現地データを収集した上で、シミュレーションの技術的課題について検討した。 二年目以降は、各自の調査をさらに深化させるとともに、その成果について相互に検討・照合することを予定している。上記の各調査についてはまだ手探りの段階であるが、各自が開発しつつある調査方法や、その分析手法の有効性自体については、一部学会等で発表した。
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Research Products
(4 results)