2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21520805
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
加茂 浩靖 Nihon Fukushi University, 経済学部, 准教授 (90454412)
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Keywords | 経済地理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、労働者派遣業の労働力調達行動と大都市圏の人口構成・就業行動の変化を踏まえ、労働者派遣業に供給される労働力の特質およびその供給メカニズムを、名古屋大都市圏を対象地域とした実態調査に基づいて明らかにすることである。平成21年度には、労働者派遣事業所の大都市圏への展開の状況、およびそのメカニズムを把握するため、次の2点を中心に研究を実施した。 第1に、労働者派遣業の地域的展開パターンを把握するために、派遣企業の事業所所在地、設置時期等の定量的データを用いて統計分析を行った。ここでは分析資料として、事業所・企業統計調査報告書等の統計資料を用いた。分析の結果、労働者派遣業が大都市圏を中心に事業所を展開していること、なかでも製造派遣では、大都市圏の主要な工業地域に事業所を展開していることが明らかになった。 第2に、名古屋大都市圏に立地する労働者派遣企業を対象に聞き取り調査を実施した。この調査では、17事業所から店舗展開や事業多角化等の経営方針に関するデータを収集した。この結果、2000年から2007年の期間に大半の労働者派遣業が製造業務派遣を拡大したこと、派遣需要の増大にともない労働力を調達するための事業所の立地や採用スタッフの派遣を全国スケールで進めたことが判明した。 これらの研究成果は、従来未解明であった全国スケールでの労働者派遣業の展開過程が明らかになった点において意義があるとともに、平成22年度研究予定の派遣労働市場への労働力供給メカニズムを検証する上での基礎データとして重要である。
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