2011 Fiscal Year Annual Research Report
英国コアシティにおける都市政策の展開と中心地の再生に関する地理学的研究
Project/Area Number |
21520806
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
伊東 理 関西大学, 文学部, 教授 (70116309)
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Keywords | イギリス / コアシティ / 中心地の再生 / 都市政策 / PPS6 / コミュニティの再生 |
Research Abstract |
イギリス・イングランドの中心地の再生に関連する中央政府の方針と政策を示す計画政策ステートメント6号(PPS6)、コミュニティの再生に関する方針などの資料の分析を行い、政権交代によるポスト労働党政権以降の政策について検討した。その結果、計画政策において、計画政策ステートメントの簡略化および開発行為に関する規制緩和される傾向が読み取れ、そのことが個々の都市の都市政策や中心地の再生にどのように反映していくかが、今後の焦点となっていくものと予想されることが判明した。 以上の中央政府の地域(開発)政策の変化に関する検討に加え、本年度は2011年8月~9月の2週間イギリス調査を実施した。具体的には、バーミンガム、マンチェスター、ニューカースルの各市で都市政策・都市再生に関する一般的資料を収集するとともに、小規模中心地の実態と再生について、各市の都市計画局、市立中央図書館等でヒアリング・資料収集をした。また、いくつかの小規模中心地での現地観察調査を実施した。現在、現地調査によって得た資料を整理・分析中であるが、ニューカッスルのイーストエンド地区では1990年代以降中心地の再生が進んだところであるが、今日では地域経済の疲弊等により、中心地の停滞・荒廃の兆候がみられてきていること、またバーミンガムでは中心地の再生に関して、その進展度合いに中心地間での地域差が大きくなってきたこと、地域差は多分に当該コミュニティの地域的特性と関連していることなどが実態として指摘できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究課題に関する中央・地方政府の中心地に関する政策展開については検討を終えているが、具体的な事例都市での中心地の再生に関する分析が、行政データの発行予定の遅延によるデータ不足、資料分析に要する時間不足などによりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は本研究の最終年度であるので、(1)既に収集した資料で残っている研究資料の整理と分析および(2)不足する資料の収集と補足調査を中心にして、研究のとりまとめをする予定である。
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