2009 Fiscal Year Annual Research Report
南ラオスのゴム園開発と地域住民の社会文化変化に関する研究
Project/Area Number |
21520825
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中田 友子 Kobe City University of Foreign Studies, 外国語学部, 准教授 (50508398)
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Keywords | 開発 / 文化変化 / ローカル / グローバル / 南ラオス |
Research Abstract |
2009年度は研究計画通り、2回、現地調査を行った。1回目は2010年2月に2週間、ラオスへ行き、村で世帯調査を中心にフィールドワークを行った。現在の世帯数は実質的に38戸であり、そのうち19戸について聞き取りを行った。また、ゴム園労働に関して村人たちからの聞き取りと、ちょうどベトナム正月(テト)の時期と重なっていたため、ゴム園を訪れ、観察と簡単な聞き取りを行った。さらに、村で貧困対策プロジェクトとして機織りの研修が行われており、これについて簡単なデータ収集を行った。 2回目は3月に2週間、ラオスに滞在し、残りの19戸の世帯調査と、村の最大の年中行事である水牛供犠祭りを観察し、データを収集した。残念ながら1週間程度続くこの儀礼の最後まで見届けることはできなかったが、一部だけでも参加し観察することができたことは、文化変化というテーマに関して大きな意義があったと思う。というのは、この儀礼が村人たちの文化的アイデンティティに重要な位置をかつて占めていたことが分かっているからであり、この点についての変化を分析することは重要だと思われる。 また、文化という面からは、この2回の調査を通じて、10数年前に観察した占い(キーカポと現地で呼ばれている)を観察することができたのも重要な意義があった。これも、村における共同性のあり方や社会関係を分析するうえで重要な意味をもつと同時に、村人たちの現在における病気に対する解釈やさらには世界観をも理解する手掛かりとなりうると思われるからである。特に、前回の調査と比較することにより、文化的な変化の一面を明らかにすることも可能ではないかと考えている。 さらに、この2回の調査では、パラゴムノキ植林プロジェクト以外の開発プロジェクトの存在についても知ることができ、開発に関してより対象を広げていきたいと思った。
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Research Products
(1 results)