2010 Fiscal Year Annual Research Report
青年海外協力隊員の活動における文化人類学の活用に関する研究
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21520836
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
白川 千尋 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 准教授 (60319994)
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Keywords | 文化人類学 / 青年海外協力隊 / 国際協力 / 保健医療協力 |
Research Abstract |
平成22年度に行う活動として当初予定していた活動(交付申請書記載)は、大別すると(1)カンボジア、ラオス、ベトナムにおける派遣中の青年海外協力隊員を対象とした国外調査、(2)帰国した元隊員、派遣前研修を受けている隊員、派遣前研修で文化人類学関係の講義やワークショップを担当している講師などを対象とした国内調査、(3)調査で得た知見の集約と検討に関する活動、の三つであった。このうち(1)については、研究代表者がカンボジアとベトナムにおいて隊員とその関係者(協力隊調整員や国際協力機構専門家など)を対象とした聞き取り調査を行った。また、(2)については、研究代表者と研究協力者(大橋亜由美、放送大学非常勤講師)が分担して、帰国した元隊員を対象とした聞き取り調査を行った。これら国内外での調査によって、隊員の活動における文化人類学的知見(文化人類学の視点、方法論、考え方などに関する知識)の活用のあり方に関する実際的な情報の収集が進んだ。加えて、平成21年度に引き続き、研究代表者が派遣前研修の参与観察と研修の講師に対する聞き取り調査を行った。派遣前研修を対象としたこれらの調査により、研修で文化人類学的知見が隊員たちにどのように伝えられているかを詳細に把握することができた。さらに、それと先述の国外調査や元隊員を対象とした国内調査によって得られた情報をつきあわせることで、研修で伝えられた文化人類学的知見が、その後隊員たちの活動のなかでどのように活用されたか(あるいはされなかったか)という点についてもフォローすることが可能となった。なお、(3)については、年度後半に研究代表者と研究協力者がミーティングやメールのやりとりなどを行い、(1)と(2)の活動を通じてそれぞれの得た情報の共有に努めた。
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