2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530011
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
阿部 昌樹 Osaka City University, 大学院・法学研究科, 教授 (10244625)
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Keywords | 地方自治 / 地方分権 / 住民参加 / 条例 / 法のインパクト |
Research Abstract |
本年度は、4年間にわたる研究の手始めとして、(1) 日本とアメリカ合衆国において公刊されている文献を中心として、法社会学の分野における法のインパクトに関する先行研究の理論的含意の検討に着手するともに、(2) 全国各地の自治体がインターネット上で公開している例規集を活用して、「住民参加促進型条例」の条文を収集し、あわせて、(3) 実地調査の対象とすべき自治体の選定を行った。 先行研究の検討からは、本研究が対象とする「住民参加促進型条例」のインパクトを実証的に研究するに際して、そのまま利用することが可能な理論や分析枠組は得られず、検討対象をさらに拡大していくとともに、先行研究を踏まえつつも、独自の分析枠組を構築していくことをも検討する必要があることが明らかとなった。また、法社会学の分野においては、判決のインパクトに関する研究にはかなりの蓄積があり、理論的な深化が進んでいるものの、それに比して、立法のインパクトに関する研究には十分な蓄積がないことも明らかとなった。 「住民参加促進型条例」の条文の収集に関しては、各地の自治体の条例の条文を収集し、比較対照する過程で、多くの自治体が、条例によって制度化された住民参加制度を利用可能な住民に、その自治体の区域に居住し、住民登録を行っている狭義の住民だけではなく、その自治体の区域に他の地域から通勤もしくは通学している者をも含めていることや、そうした広義の住民の意向を自治体の施策に反映させるために、多様な参加手法を制度化していることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)