2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530017
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
浅野 有紀 Kinki University, 法務研究科, 教授 (70272937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横溝 大 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00293332)
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Keywords | グローバリゼーション / 私法 / 法と経済 / 抵触法の経済分析 / 法多元主義 |
Research Abstract |
研究初年度である本年度においては、グローバル化における国家法の役割の衰退、その反面としての私法の拡大の現状について研究を行うために、欧米の国際法、国際取引、国際私法、政治学、政治・法哲学、哲学、法思想史に関わる海外文献と国内文献を購入し、その精読と分析に取り組んだ。 具体的には、浅野と横溝を中心に、本研究に関心のある法哲学者や実定法学者や大学院生の参加を得つつ、本年度内に三回開催した「抵触法と法哲学『(IPRP)研究会」(2009年6月13日、7月27日、2010年2月6日)は、それぞれのテーマをNeil MacCormick, Questioning Sovereigntyとその関連文献、Ralf Michaelsの抵触法の経済分析に関する論文とその関連文献、W.Lucy, Philosophy of Private Lawとその関連文献の精読・分析とし、各参加者の立場から見解の異同を論じ、現代世界における国家と法、法と経済、私法の「私法性」とは何かについての研究を進めた。 論文その他の成果としては、主なものとして、浅野は「グローバル・リーガル・プルーラリズムにおける法と道徳」において、現代の国家法的規範と非国家法的規範との相克と、そこにおける経済的効率性に導かれた企業行為等の有する意味を分析した。横溝は「抵触法の対象となる『法』に関する若干の考察-序説的検討-」において、国際的商取引法等も含む非国家法が抵触法上の適用対象となる「注」に含まれるか否かを、現代の多元的な法状況の実証的な把握や思想史的な分析、秩序論との関係における考察を通じて論じた。 なお、浅野は今年度「京大中世哲学研究会」への出席を計画していたが、より現代的なテーマを扱う「科学哲学コロキアム」(京大会館)に出席し、哲学方法論や実証哲学の歴史について学ぶ機会を得た。
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Research Products
(12 results)