2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530017
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
浅野 有紀 学習院大学, 法務研究科, 教授 (70272937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横溝 大 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00293332)
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Keywords | グローバリゼーション / 私法 / 抵触法における法秩序 / 法多元主義 |
Research Abstract |
本研究の最終年度である23年度においては、共同研究者間での研究会、内外の学術会議への参加、各自での論文執筆・公表を通じて、二年間の調査研究の成果をまとめることに努めた。 共同研究者間での研究会は、Daniels,The Concept of Law from a Transnational Perspectiveを中心とする文献の分析・検討会(6/17)、IVR世界大会での各自の報告についての検討会(8/14)として行った。その後フランクフルトで行われたIVR世界大会では、内外の私法研究者によって開催されたワークショップPolitics of Private Law in a Technological Ageで各自報告し、討論に参加した(8/18)。このワークショップは、前年度7月にワシントンD.C.で開催された比較法アカデミーにおいて、両共同研究者が報告者として参加したワークショップPrivate Law Theoryグループの継続的活動の一環であって、今回の参加も、ワシントンで知己を得たドイツの研究者からの呼びかけに応じたものである。グローバリゼーションにおける法の変容を考察する際には欠かせない、海外の研究との比較検討、海外の研究者との交流の場を、このように継続的に確保できる状況を得たことは、本研究の成果であったと考える。この他にも、九州大学で行われたシンポジウムRegulatory Hybridization in the transnational Sphereに参加し(2/12)、前年度の研究会で検討した文献の著者の一人であるPeer Zumbansen教授の報告をきき、議論をすることができた。Zumbansen教授の議論は、著作においては非常に難解であると思われたが、直接に質問をして議論することによって、我々の理解は格段に進んだ。これは非常に貴重な機会で、Zumbansen教授とは今後も議論を続けていくことを約することができた。 この三年間で、研究の方向性は、私法や私法的秩序への注目から、私法と公法の融合、私法も含めた一般的「法」概念の変容、グローバル化における法のあり方を示すものとしての法多元主義の議論の検討、などに拡大しつつ進んだ。最終年度に各自が執筆した論文(出版状況により未公表のものも含む)は、これらの視野の拡大を反映したものとなっている。
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Research Products
(10 results)