2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530024
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
只野 雅人 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90258278)
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Keywords | 議会 / 二院制 / 立法 / 法律 / 代表 |
Research Abstract |
最終年度である平成23年度においては、これまで2ヵ年の研究をふまえ、必要な視点を補足・整理しつつ、研究課題全体に関わる試論の構築につとめ、2本の論文を公刊した。 「自治体の立法権をめぐる『国家の型』の理論」は、近時の日本における立法権の分権をめぐる議論を素材に、フランス憲法学の知見によりつつ、国と地方という異なるレベルでの立法権の並存の可能性と限界を、原理的な視点から論じたものである。従来よりも広い視座から、立法をめぐる問題を論じる、補足的な意味合いをもつ論文である。 「よりよき立法(mieux legiferer)-フランスにおける社会・経済の変容と統治の正統性-」は、EUとフランスを素材に、政治・社会の変動のなかで立法と統治に新たな正統性が求められるようになっていることを、立法過程と理論双方から、論じてみた。本研究課題を集成するものであると同時に、今後の研究への橋渡しの役割をも持つ論文である。なお試論ではあるが、本研究を通じ解明をめざした課題に対する、基本的な方向性が提示されている。 このほか、立法過程、さらにはより広く政治過程における審議や決定にどこまで規範的な統制が及びうるのか、といった点についても考察を行っている。刊行スケジュールの遅れから、年度内の刊行はかなわなかったが、そうした成果の一部をふまえ、法科大学院用のテキストに、共同執筆者として参加し、「国会・内閣・財政」の章を執筆した。 執筆活動以外では、研究代表者がこれまで専門としてきた選挙制度や国会制度のあり方をめぐり、国会実務関係者から意見を求められる機会が複数あった。これまでの研究成果をふまえ意見を述べる一方で、意見交換を通じ、様々な貴重な知見を得ることもできた。
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Research Products
(2 results)