2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530034
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村上 裕章 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (20210015)
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Keywords | 行政法 / 行政訴訟法 / ドイツ法 / フランス法 |
Research Abstract |
本研究は、多様な手法を駆使して行われる現代行政の特質に適合し、かつ、国民の包括的で実効的な権利保護を保障するような、新たな行政訴訟体系を構築することを目的とするものである。具体的には、(1)現行行政事件訴訟法の枠内で上記目的にかなう解釈論を探求すること(解釈論的検討)、(2)上記目的にとって望ましい行政訴訟体系を立法論的に構想すること(立法論的検討)、(3)以上の研究への示唆を得るために、諸外国における行政訴訟制度の実情を検討すること(比較法的検討)を内容とする。 平成22年度は、解釈論的検討の一環として、行政事件訴訟法改正によって導入ないし活用が提言された訴訟類型について、改正から5年の時点における判例の動向を分析した論文を公表した(「多様な訴訟類型の活用と課題」法律時報82巻8号)。引き続き公法上の当事者訴訟に焦点を当てた研究に従事しており、平成23年度中に公表予定である。これらの研究を踏まえ、行政法教科書の改訂作業も行った(稲葉馨=人見剛=村上裕章=前田雅子・行政法[第2版])。さらに、行政訴訟制度にとっての重要な現代的課題の一つである、情報公開訴訟におけるインカメラ審理の問題について、憲法論や立法論を含む研究を公表した(「情報公開訴訟におけるインカメラ審理」法政研究77巻4号)。 立法論的検討及び比較法的検討についても研究を進めており、ドイツ留学中にお世話になったシェンケ名誉教授(マンハイム大学)の古稀記念論文集に掲載するため、ドイツ法との比較及び立法論を含む論文の原稿を提出しており、平成23年10月頃公刊される予定である。
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Research Products
(4 results)