2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長瀬 修 東京大学, 大学院・経済学研究科, 特任准教授 (60345139)
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Keywords | 条約 / 人権 / 障害者 |
Research Abstract |
本22年度は、障害者の権利条約の国際的実施を中心に研究を進め、実際にその過程を傍聴することができた。 1つは9月にニューヨークで開催された第3回締約国会議である。同会議では、障害者の権利委員会の委員を務める専門家の選挙が実施されたほか、条約実施に当たり非常に重要なテーマである教育(24条)と地域生活(第19条)に関するラウンドテーブルが開催された。また、国際協力に関する市民フォーラムが、国連事務局の経済社会部とNGOである国際障害同盟の共催で開催された。 もう1つは10月にジュネーブで開催された障害者の権利委員会第4会期である。条約(CRPD)の国際的モニタリング始動に向けて体制が整えられ、次回に対話が行われるチュニジアへの質問事項(list of issues)がまとめられた。会期中には、アクセシビリティに関する一般的討議も行われた。また、サイドイベントとしては、国際障害同盟が市民社会ブリーフィングを開催した。チュニジアのNGOの参加がないため、代わりに国際障害同盟による質問事項の提示があった。 条約の交渉過程で強調された、障害者自身の参画を求める"Nothing about us without us"の原則は実施過程でも活かされている。それは選挙結果を受けて18名に増員された障害者の権利委員会の委員のうち15名までが障害者であることや、締約国会議と障害者の権利委員会への障害NGOの積極的な参画によって示されている。
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