2011 Fiscal Year Annual Research Report
保証概念の類型化 -経営者保証と第三者保証の区別を中心として-
Project/Area Number |
21530089
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
遠藤 歩 九州大学, 大学院・法学研究院, 准教授 (50347259)
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Keywords | 保証 / 経営者保証 / 第三者保証 / 法比較 |
Research Abstract |
平成23年度は、ドイツ連邦共和国において、保証人保護のあり方に関する研究調査を行った。 我国の保証人保護法理に関する比較法的研究は、理論的な研究に関して、質および量とも既に一定の水準に達している。しかしながら、外国の金融実務や法意識の相違までを射程に入れた(少なくともこれらをある程度考慮した)研究は、未だ少ないように見受けられる。そこで、この研究では、本年度、ドイツ連邦共和国フランクフルト市およびゲッティンゲン市において、大学図書館での資料収集、および、研究者との対話、銀行実務家に対するヒアリングを行った。この作業を通じて、これまでの研究からは得られなかった新たな知見を獲得した。 今回の研究調査を通じて、まず、ドイツにおける保証制度の金融実務での機能や、経営者保証の現状を細かく認識することができた。例えば、大企業に対する融資と中小企業に対する融資との場合における相違や、中小企業に対する融資の場合における、会社形態の相違に由来する法および法意識の多様性である(そもそも保証を徴収するのか否か、どのような方法で徴収するか、経営者保証か第三者保証か)。また、この作業を通じて、そもそも保証という行為をなすこと自体に関する意識が、我国とドイツで異なることも認識できた。なお、これらの作業と並行して、フランスに関する文献収集と調査も継続して行った。 現地調査で得られたこれらの成果は、経営者保証と第三者保証の区別を通じた保証人制度研究を、比較法的に行う際の重要な基盤となった。
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