2011 Fiscal Year Annual Research Report
情報システム化社会における財産および財産管理の基礎理論の再構築
Project/Area Number |
21530092
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
片山 直也 慶應義塾大学, 法務研究科, 教授 (00202010)
|
Keywords | 財産 / 財産管理 / 資産 / 営業財産 / 無体 / 包括体 |
Research Abstract |
1.本研究は、個人の財産や資産およびその管理形態が多様化する21世紀の情報システム社会においては、私法の基本法である民法中の「物」「財産」概念を大幅に見直す必要があるとの認識に基づき、権利の客体を「物(有体物)」に限定せずに、無体物も含んだ「財産」と規定し、わが国の物・物権制度とは異なる展開を遂げたフランス法における財産および財産管理をめぐる法状況を比較法的な手法を用いて分析・検討することを目的としている。 2.本年度は、まずは、基礎的研究として、「財産の多様性」という視角から検討を進めて、研究代表者(片山)がメンバーの一人として事務局を担当する「フランス物権法研究会」と連携して、平成22年度のパリ開催に引き続き、第2回日仏物権法セミナー「シンポジウム・21世紀における物権法改正に向けて-日仏比較研究」(平成23年9月21日22日・北海道大学)を実施した。研究代表者は「財産管理」について報告を行った。 3.さらに、新たな財産の特徴を、「無体」および「包括体」という視角から捉えて、「営業財産」(「顧客」)と「有価証券資産」を具体的な研究対象とし、その社会経済的な実態の解明およびそれを支える財産法の構造を分析するとともに、「財産管理」という視点から、「権限」や「活用」という基本概念の研究を進めてきた。その成果は、研究代表者が編者の一人を務める研究書「21世紀の資産-日仏比較法の視角から」(仏文)を近く出版する予定である。 4.本研究の成果は、近い将来に予想される我が国における民法(物権法)の改正に向けての貴重な基盤研究となると確信している.
|
Research Products
(6 results)