2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530096
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岩志 和一郎 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (70193737)
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Keywords | 親権法 / 子の福祉 / 児童虐待 / 少年援助 / 児童保護法制 |
Research Abstract |
平成22年度における、本研究にかかる主たる研究実績は以下のとおりである。 (1) 研究代表者、連携研究者高橋由紀子ならびに鈴木博人は、平成21年度末(平成22年3月)に、ドイツ国ベルリンにおいて、「子の権利の確保のための司法と児童福祉の連携」につき、ベルリン工科大学教授ヨハネス・ミュンダー氏、各区少年局、家庭裁判所等に対する聞き取り調査を行ったが、22年度は同調査の結果を取りまとめる作業を行った。すでに作業は終了しており、23年度末までには、報告書として刊行予定である。 (2) (1)と並行して、平成22年11月には、上記ミュンダー教授を招聘して、「子の権利の確保のための司法と児童福祉の連携」に関し、セミナーと講演会を開催した。セミナーは、ドイツの児童福祉活動の基本規定ともいえるドイツ社会法典8編8条aの内容を中心に、少年局、裁判所、その他の専門家との相互関係について詳細な情報提供と議論が行われた。講演は、早稲田大学比較法研究所の協力も得て、児童虐待に対する対応に関して、ミュンダー教授が中心となって行った調査を基礎に、少年局と裁判所の対応関係について行われた。これらセミナーおよび講演会の、講演原稿および質疑についても、翻訳と整理が行われており、比較法研究所紀要に掲載するほか、年度末の報告書に収録する予定である。 (3) 研究協力者は、平成22年6月に発足した家族法改正委員会(代表・岩志和一郎)の家族法改正立法提作成で親権法規定担当の責任者となり、わが民法の親権法の検討に当たることとなった。その基本的認識については、別添記載の文献のとおりである。また連携研究者高橋および鈴木は、「養子と里親の会」の有志として、これも別添記載の親権法改正提案作成を担当している。これら親権法改正に向けた作業の中では、本研究によって探られたドイツ親権法の内容が参考要素として多大の寄与をしている。
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Research Products
(2 results)