2010 Fiscal Year Annual Research Report
戦後ハンガリーにおけるデモクラシーの可能性―オルターナティヴの探求
Project/Area Number |
21530111
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平田 武 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90238361)
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Keywords | 政治学 / 西洋史 / ハンガリー / 政治体制 / ビボー |
Research Abstract |
本研究は、第二次世界大戦後のハンガリーにおいてデモクラシーの実現する可能性が垣間見られた二つの時期(第二次世界大戦終戦直後と1956年革命)を対象として、国際政治と国内政党政治の展開の中で、ビボー・イシュトヴァーンの展開した民主的な政治体制構想が持った意義と可能性を明らかにしようと試みるものであり、(1)ビボー・イシュトヴァーンの政治体制構想、(2)国際関係におけるハンガリー・デモクラシーの可能性、(3)ハンガリー国内政党政治の展開におけるデモクラシーの可能性の3点について、考察を進めることを具体的な目標としている。 本年度は、(1)については、資料・関連文献の収集と分析を進めた。中でも、ハンガリー科学アカデミー付属図書館の所蔵するビボーの遺稿の中から56年革命期の未公刊資料のコピーを入手することができたのが最大の成果である。彼の戦後直後の時期におけるセゲド大学での講義についても、遺稿の中には講義用のメモが含まれていたが、当時の聴講生の講義ノートが公刊されたことで、その概要がより詳細にわかるようになった。(2)についても、関連文献の収集とその分析を進めた。(3)については、戦後ハンガリーの政治発展に関する予備的な考察として、ハンガリーの政治発展の概要を近隣諸国の比較の中に位置づけた比較歴史研究を公表した(平田武「『歴史の遺産』とその影響-旧東欧諸国における政治発展と制度選択・デモクラシー」仙石学・林忠行編『ポスト社会主義期の政治と経済-旧ソ連・中東欧の比較』所収)。
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Research Products
(3 results)