2011 Fiscal Year Annual Research Report
メタ・ガバナンスの機能と組織構造に関する理論的研究
Project/Area Number |
21530135
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
新川 達郎 同志社大学, 総合政策科学研究科, 教授 (30198410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君村 昌 同志社大学, 法学部, 名誉教授 (50066148)
今川 晃 同志社大学, 政策学部, 教授 (50183744)
風間 規男 同志社大学, 政策学部, 教授 (50257961)
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Keywords | メタ・ガバナンス / マルチ・レベル・ガバナンス / 政策コミュニティ / 政策ネットワーク / リスケール理論 / 複雑系 / 地域コミュニティ再生 / 復興まちづくり |
Research Abstract |
本研究は、メタ・ガバナンス研究の基本的な枠組みを明らかにし、その実証研究のための試行的な研究を重ねて、応用研究のための仮説構築を行うとともに、メタ・ガバナンスの動態に関する理論的なモデルを構想していくことを目的としている。本年度は、本研究の最終年度にあたり、これまでの研究の総括を行うとともに、今後の研究のための準備を行うこととした。 そのために、まず第一に、実証的な研究のためのパイロット・サーベイを行ってきた。それは地域コミュニティの自治や住民と行政の接点に関する諸課題解決方法についての研究、そして、とりわけ、東日本大震災に際して、根こそぎにされた地域社会の再生にかかわるガバナンス構築において、メタ・ガバナンスがいかに機能しているのかを、検証することになった。そこでは、従来のメタ・ガバナンスの担い手であったガバメントあるいはその議会だけではなく、多元的な社会集団間のネットワークの再構築と、その自生的な再生メカニズムを促進する機能が重要な要因となることを明らかにした。 こうしたパイロット・サーベイを踏まえつつ行われた理論的な検討においては、メタ・ガバナンスの機能が、一つは、マルチ・レベル・ガバナンスが機能する中で作動していること、すなわち重層的な政府間関係及びガバナンス間関係それ自体がメタ・ガバナンスと機能していること、二つには、ガバナンスは政策のスケールごとに異なっており、その差異性を生む中にメタ・ガバナンスが機能していること、三つには、政策ネットワークの中で働くメタ・ガバナンスは複雑系的なふるまいをしてネットワーク維持を果たしていることが、明らかになった。こうした知見に基づきメタ・ガバナンスの動態モデル構築に向けての総括を行った。
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Research Products
(19 results)