2010 Fiscal Year Annual Research Report
韓国における市民的公共性の新たな展開としての市民事業に関する研究
Project/Area Number |
21530137
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
文 京洙 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70230026)
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Keywords | 市民事業 / 韓国 / 公共性 / 社会的企業 / グローバル化 / 非営利協働 / 住民自治 / 比較 |
Research Abstract |
本研究は、市民事業をめぐる韓国での近年の動向を市民的公共性の新たな展開として位置づけ、日本での経験や試みとも対比しつつ、市民事業の事例調査と分析を試みるとともに、市民社会や公共性(公共圏)理論にもつその含意を明らかにすることを目的としている。 平成22年度には、21年度に続いて、ソウルを初め、仁川、済州などで市民事業の先進事例の調査を本格的に着手した。7月には、ソウルの「ともに働く財団」前事務局長の李恩愛氏に「社会的企業育成法」の成立過程、法制定以後の現状と課題について聞くとともに、We Can(障害者によるクッキーの製造・販売)など4カ所の社会的企業を訪問した。さらに同月、清州市(忠清北道)でAll利など市民事業と介護事業所を訪ね、社会的経済のネットワークによるまちづくりの実践について調査し、大田では忠清南道の道庁に社会的企業支援担当者を訪ね、広域自治体の社会的企業育成のための取り組みについて聞いた。9月には済州道に「スヌルルン自活支援センター」を訪ねて、国民基礎生活保障法に基づく自活支援活動に取り組む立場から社会的企業育成法や法制定以後の現状について訪ねた。2月(平成23年)には、仁川市、安山市に社会的企業の認定を受けた医療生協の調査と社会的企業のインキュベーションや中間支援に取り組むハンギョレ新聞社の「ハンギョレ経済研究所」を訪ね意見交換した。 以上のような現地調査に加えて、9月19日には韓国から朴元淳希望製作所常任理事を招いて「東アジアにおける市民社会の条件と可能性」(東京)のテーマでシンポを開催したのをはじめ、10月にはユ・チャンボク(ソウル麻浦区ソンミサンマウル・リーダー)、1月(平成23年)には崔〓淑(韓国保健福祉支援研究院常任理事)など韓国のまちづくりや市民事業を現場で担う市民活動家を招聘し、シンポジウム・研究会などを開催した。
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Research Products
(3 results)