2010 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦後における米軍変革の同盟諸国への伝播-英国、豪州、日本の比較研究
Project/Area Number |
21530147
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮岡 勲 慶應義塾大学, 法学部, 准教授 (90335399)
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Keywords | 安全保障論 / 同盟 / 戦力変革 / 伝播 / 国際情報交換 / 米国:英国:豪州 |
Research Abstract |
平成21年度に引き続き平成22年度においても、分析枠組の構築・研究方法の確定および米軍変革に関する研究に重点を置いた。このため、当初、平成22年度に予定していた、NATOと英軍の変革に関する研究は、平成24年度に先送りすることにした。 1.分析枠組の構築と研究方法の確定:昨年度構築した、戦力変革の国際的な伝播に関する分析枠組をさらに洗練させるために先行研究の更なる精査を行った。本年度は、とくにネオクラシカル・リアリズムと役割理論に注目した。前者は、国際政治構造(国家間における物質的パワーの配分)を独立変数とする一方、国内要因を中間変数として組み込むアプローチである。国内要因としては、政治・軍事的文化や政府の自律性などを挙げることができる。また、役割理論を併用することにより、国際政治構造と外交政策のつながりをよりよくモデル化できるようになった。 2.米軍変革に関する研究:米国における戦略変革の変化、とくに国防長官府戦力変革本部の役割と2006年10月における廃止の背景を分析した。また、同じ場所に併設されている、米軍変革を主導する統合戦力軍司令部と、NATO変革を主導するNATO変革連合軍司令部との関係について考察した。なお、本年度末に米国で実施した資料収集・インタビュー調査では、米軍変革だけでなく、それの同盟諸国への伝播や促進・阻害要因について有益な知見を得ることができた。次年度以降の研究に生かしたい。
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