2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530152
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
服部 龍二 Chuo University, 総合政策学部, 准教授 (80292712)
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Keywords | 日中国交正常化 / 政治過程 / 日中関係 / 講和 / 外交 |
Research Abstract |
本研究では、日中国交正常化の政治過程、とりわけ1970年代の日中講和に絞り込んで実証研究を行った。言い換えるなら本研究は、現代東アジア国際関係の原型ともいうべき日中講和の歴史を実証的に分析するものである。日中関係史を実証のレベルと認識のレベルで分析し、相互認識の乖離が生じる原因を解明すべく務めた。着実な事例研究を積み上げながらも、日中間における発想の相違に着眼し、日中講和を多面的に解明しようとした。 とりわけ本年度は、日中講和の法的政治的性格、戦争の総括と謝罪の内実、台湾の地位、アメリカが日中関係の形成に果たした歴史的な役割などの解明に着手した。日華平和条約の解釈の変容、1980年代の日中関係における歴史教科書や靖国問題等についても考察したが、研究の中心はあくまでも日中講和とした。 言い換えれば、現代日中関係の研究を主として国交正常化の側面から発展させるものであるが、公文書には表れない政策決定過程や人的関係についでも考察した。情報公開請求では、とりわけ外務省に対する情報公開請求と史料収集が鍵となった。 日中講和を考察する際に欠かせないのが、日中戦争の史的研究である。これについては、国際舞台となったブリュッセル会議を軸として、中国を代表する外交官の顧維鈞の足跡をたどった。日中間の相互認識については、いわゆる歴史認識問題を視野にいれながら研究を進めた。そこでは、「田中上奏文」や日中歴史共同研究も問題関心に含めた。
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Research Products
(2 results)