2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530152
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
服部 龍二 中央大学, 総合政策学部, 教授 (80292712)
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Keywords | 日中国交正常化 / 日中関係 / 台湾 / 田中角栄 / 大平正芳 / 周恩来 / 日中講和 |
Research Abstract |
日中国交正常化に関する史料の精査から着手した。外務省外交史料館に所蔵されている外務省記録のほか、情報公開請求で史料を得た。 田中や大平が日中国交正常化の表の主役とするなら、陰の主役は外務省員である。政治的リーダーシップと外務官僚による下支えが調和した成功例が、日中講和にほかならない。日中講和で特徴的なのは、外務省中堅層が決定的な役割を果たしたことにある。 特に、外務省条約局条約課長だった栗山尚一については、インタビュー記録を取りまとめ、栗山尚一/中島琢磨・服部龍二・江藤名保子編『外交証言録 沖縄返還・日中国交正常化・日米「密約」』(岩波書店、2010年)として刊行した。 台湾を担当したのがアジア局外務参事官だった中江要介であり、インタビュー記録を中江要介/若月秀和・神田豊隆・楠綾子・中島琢磨・昇亜美子・服部龍二編『アジア外交 動と静--元中国大使中江要介オーラルヒストリー』(蒼天社出版、2010年)として刊行した。 次いで、保守政治家に対するインタビューを継続的に行った。とりわけ、日中国交正常化のとき通産大臣だった中曽根康弘に対して27回のインタビューを実施した。現在、その内容を整理しており、2011年に刊行すべく、準備を進めている。これらの作業を通じて、田中や大平、外交官、自民党政治家、そして周恩来らが織りなす一連の経緯を再現しすべく研究を進めた。
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Research Products
(2 results)