2013 Fiscal Year Annual Research Report
「2013年までの極東ザバイカル地域開発プログラム」と北東アジア国際秩序の研究
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21530157
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
堀内 賢志 早稲田大学, 付置研究所, その他 (80329052)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロシア / 地域開発 / 国際協力 / エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年度(平成25年度)は、最終年度となる「2013 年までの極東ザバイカル地域経済社会発展連邦特定目的プログラム」を中心とした開発の進捗と成果を総括し、地域開発体制の転換や新プログラム策定状況、開発の方向性について研究を進めた。また、エネルギー分野を中心とするアジア太平洋諸国との協力についても考察を進め、中露国境協力についての現地調査も行った。 上記プログラムについては、特にAPEC開催に向けたウラジオストク開発が、金融危機などに直面しつつ、資金供給の大幅な増額を伴いながら実施された。その他、サハリンや東シベリアからの石油・天然ガスパイプライン建設をはじめとする諸々の大規模プロジェクトが実施された。これには連邦中央の戦略的関心と連邦主導の開発体制の整備が寄与した。これによりロシア国内における同地域の固定資本投資や域内総生産の割合は増大し、外交上の成果ももたらした。他方、上記プログラムは履行できなかったプロジェクトも多く、資金の大規模な不正使用も明らかになった。何より、国家財政からの投入に頼った大規模インフラ整備中心のプロジェクトが持続的かつ自立的な地域発展につながらないという開発政策上の欠陥が明るみになった。 2013年には地域開発体制と開発の方向性の重要な転換があった。これは本研究の目的、および上述した極東開発の欠陥に大きくかかわる問題であり、その把握と分析が本研究の重要な課題となった。すなわち、2013年9月に新たに就任した極東開発相と極東連邦管区全権代表の下で、極東開発のコンセプトが、外資を含む民間投資と効率性を重視したものへと大きく転換され、3月に承認された「極東バイカル地域開発国家プログラム」の改正、「先進発展区域」の導入などの政策転換がもたらされた。この新たな政策的方向性は、今後のロシアとアジア太平洋諸国との経済協力のあり方に影響を与える可能性がある。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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