2011 Fiscal Year Annual Research Report
高度技能移民受け入れ政策と家事・看護・介護労働者:ポイント・システムの意義
Project/Area Number |
21530160
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
柄谷 利恵子 関西大学, 政策創造学部, 教授 (70325546)
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Keywords | 国際移動 / グローバル化 / ガバナンス / 家事・看護労働 / 入国管理政策 / 能力別受け入れ制度 |
Research Abstract |
当該研究の最終年度に当たるため、本年度は、(1)過去2年間に実施した現地調査のまとめとしての最終調査、(2)研究成果をできるだけ広く公開し成果を問う、という2点に絞って活動を行った。 まず現地調査に関しては、2009年度、2010年度に引き続き、英国国立公文書館およびオックスフォード大学移民政策研究所を訪問し、政策作成および決定に関する1次資料の収集と最新の研究動向の調査をおこなった(2012年2月10日から18日)。さらに、オックスフォード大学でEU研究に従事しているDr.Hartmut Mayerにインタビューを実施し、EUにおける高度人材受入政策の動向についての知見をいただいた。 研究成果発表に関しては、2011年5月に開催された移民政策学会の年次大会で報告した。高度技能受入政策の国際比較が年次大会の主要論題だったため、日本、オーストラリア及びカナダの事例に関する報告を受けて、当該研究の成果としてイギリスの事例について報告した。この口頭報告に基づき、移民政策学会の学会誌である『移民政策研究』に論文を投稿し、査読の結果、2012年度に掲載が確定している。またEUの移民受入政策の動向については、有斐閣の『政治学をつかむ』の中で「EUの事例」を紹介している。 本研究の成果をさらに発展するため、2012年度から3年間の科研基盤研究(C)に応募し、採択の内定を受け取っている。今後は、イギリスだけでなくEUの事例にも研究を広げ、高度人材の国境を越える動きを通じて、21世紀の国際社会におけるディアスポラ研究に新たな視座を提示することを目指す。
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Research Products
(4 results)