2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530162
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三宅 充展 Tohoku University, 大学院・経済学研究科, 教授 (00190752)
|
Keywords | 消費者余剰 / 社会厚生関数 |
Research Abstract |
本年度では(1)市場経済におけるアロー型一般不可能性定理の分析(2)代替的公共財に対する消費者余剰とそれによる社会厚生関数の可能性定理の分析についての研究を実行した。(1)においては、市場経済における代替的な政策に対する社会的評価(順序付け)の問題をアロー型の社会厚生関数として定式化し、アローの最初の公理系:(パレート性)、(匿名性)、(独立性)から出発して、これらに修正、改良を加えることにより、市場経済の特性に対応した公理系を導出した。そして、最初の結果として、修正された公理をすべて満たすアロー型の社会厚生関数が存在しないことを確認した。(2)においては、(1)で与えられた公理系を固定したままで、社会厚生関数の適応範囲(定義域)を限定する条件を新たに加えることで、可能性定理を導出した。その最大範囲は補償変分(willingness-to-pay)については準線形効用のクラスであり、等価変分(willingness-to-accept)では分離可能効用のクラスであることを証明した。以上の結果なかで、代替的公共財に関する部分は単著論文として、国際学術誌:Social Choice and Welfare(平成22年4月号)に発表した。さらに残りの市場財に関する部分は、ひとつの単著論文としてまとめて、国際学会(Econometric society:東京、東京大学平成21年8月)と日本経済学会(東京、専修大学、平成21年10月)において単独で口頭発表した。
|
Research Products
(3 results)