2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21530168
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
末廣 英生 Kobe University, 経営学研究科, 教授 (30162837)
|
Keywords | ゲーム理論 / シグナリング |
Research Abstract |
2人のプレーヤーによって行うチーム生産が、次の不完備情報動学ゲームとして行われる状況を考える。 (1)あらかじめチーム生産性に関して、部分的な私的情報が連続確率変数の実現値として与えられ、それから (2)各プレーヤーは、閉区間で表される連続時間の中から1時点を自由に選らんで、チーム生産のための努力投入を、自由に選んだ水準で行う。 プレーヤーの利得関数が2次形式で表されるケースについて、このゲームの逐次均衡が満たすべき微分方程式を導出し、上述(1)に言う私的情報の実現値ごとに、(2)で言う努力のタイミングと努力の水準として微分方程式の解が指定する値が、その解曲線上での大域的最適選択になっているかどうかを、Mathematicaによる数値解析で研究した。その結果、検討したパラメーター値に関する限り、微分方程式の解は、その解曲線上の大域最適選択を与えていることが分かった。 この結果は次のことを示唆している。(1)(2)の不完備情報動学ゲームとして行われるチーム生産ゲームは、シグナリングのモデルとしてプレーヤーの利得が1回交叉性条件を満たさないが、にもかかわらず逐次均衡の局所最適条件を満たす戦略は、大域最適性を満たし、従って実際に逐次均衡であると予想される。この予想によって、チーム生産においてリーダーシップが個人の情報にどのように左右されるかを、逐次均衡の局所最適条件を満たす戦略について研究すればよいめどがたった。
|