2010 Fiscal Year Annual Research Report
ベイズ型統計モデルに基づく経済成長の要因分析法の開発とその応用
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21530193
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
姜 興起 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70254662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 英雄 山形大学, 人文学部, 准教授 (90347724)
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Keywords | ベイズ的統計モデル解析 / 平滑化事前分布 / ベイズ型モデル平均化 / 経済時系列 / 経済成長 / 動的生産関数 / 全要素生産性 / 構造変化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ベイズ的な統計理論・方法を基盤とした、経済成長の要因分析法の開発とその応用にある。本研究では、全要素生産性(total factor productivity, TFP)と産出量の要素弾力性を時変パラメータとみなす動的生産関数モデルを構築し、平滑化事前分布を用いたベイズ法でモデルの推定を行う。こうした試みによって、TFPと要素弾力性の詳細な動きが把握可能となり、従来の研究で見逃されていた新たな知見の獲得が期待できる。 これまでの研究ではCobb-Douglas生産関数を中心に扱ってきたが、平成22年度は、より一般的な生産関数であるCES生産関数に基づくモデリングへと展開し、推定法の改良を行った。また、提案アプローチを日本、中国、台湾、韓国、アメリカの経済成長および動的構造の統計分析に応用した。上述のベイズ的な生産関数に関する研究の必要に応じて、我々は、循環変動成分を含む時系列の季節調整モデル推定法の提案に加え、一括推移の状態空間モデルとそれに付随した状態推定法および2方向フィルタによる粒子平滑化法を開発した。 本研究は、既存の生産関数アプローチにおけるいくつかの問題点を克服した先駆的取り組みであり、経済成長の定量的分析および経済統計の方法論の発展に貢献するものといえる。平成22年度の研究成果は、日本統計学会、日本応用経済学会、The 2nd European Asian Economics, Finance, Econometrics and Accounting Conference、The 5th International Conference on Innovative Computing, Information and Controlなどで報告された。また6編の論文をそれぞれ「Journal of Economic Policy Studies」、「ICIC Express Letters」および「Information」などの経済学や情報学関連の国際・国内学術雑誌に投稿した。その中の4編が平成22年度中に出版され、他の2編もすでに査読を経て掲載が決定しており、平成23年度中に出版予定である。
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Research Products
(9 results)